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電話の可能性を確信していた・・ |
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フィリップ・ライス博物館/フランクフルト通信博物館 |
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| ドイツから日本にちょくちょく電話をかけますが、今は国際電話の料金も驚く程安く(日本での携帯電話よりも安い!)、気軽に遠く離れた家族や友人との通話が可能、思えばずいぶん便利になったものです。 今では「携帯電話のない生活は考えられない!」という人がほとんどですし、そうでない人にとっても、電話は日常生活に欠かせないハズ。 |
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| 受話器を取ってダイヤルするだけで、遠く離れた人との会話が可能になる・・。 よく考えてみればすごいことです。科学の知識がゼロの私にとっては、「飛行機はなぜ飛ぶのか!」と同じくらい不思議・・。 一般的には、アメリカのベル(AT&T社の創設者)によって発明された、と言われる電話ですが、彼に先駆けてその大きな可能性を直感し、電話の試作を作り続けた人物こそが、ドイツ人科学者フィリップ・ライスです。 「光が空気中を伝わるように、人の声だって遠くに伝えられるはずだ!」と考えた彼は、「音」を「電気信号」に変え、電気信号そのものを伝達するという原理を思いつきました。 |
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| 誰でも知っている糸電話は、紙コップに生じさせた音の振動を糸を通してそのまま伝えるものですが、「じゃあ、この音の振動を電気の振動に変えれば、どんな遠くへも伝えられるかも!!」と考えた。ここが、ライスのすごいところです。 後に発明されるラジオもテレビも、この、「電気を通して情報を遠くへ伝える」という原理を応用しているわけですね。 |
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| ライスがヒントを得たもののひとつがなんと、人間の「耳」。 耳にある薄い鼓膜が音の振動をキャッチ、その音を一種の電気信号に変えて脳に伝えることで私たちは音を認識するわけです。 実際ライスは、耳の形をしたオーク材にマイクロフォンをとりつけたものを、試作品としてつくっています。考えてみれば、耳の形というのも、四方から音と取り込むのにとても都合のいい形をしていますね。 |
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| 音(話し手の声)の振動がマイクロフォンにとりつけた振動板を小刻みに動かし、これが電流をオンにしたりオフにしたりという動きを生む。それが遠く離れたスピーカー側に振動として伝わり元の音を再現する、というのがライスが考えた電話のしくみ。 しかし、この原理では音楽を伝えることはできたのですが、残念ながら肝心の人の話し声を伝えるのは困難だった・・。 というのは、音楽というのはほぼ連続したなめらかな振動、一方、人の話し声というのは連続しているわけではなくもっと複雑です。その複雑さを再現するには、このオンとオフという単純なものよりもさらに複雑なメカニズムが必要だったわけです。 |
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| 理屈はすばらしかったが、実現化の過程がいま一歩だった。そして、彼が電話という画期的な装置の可能性について、ドイツの物理学会にいくら力説しようとも、「電気を通して音を伝える?! またそんな夢のようなことを・・」と、さしたる注目を集めることもできなかった。 電話の可能性を固く信じつつ、フィリップ・ライスは失意のうちに亡くなりました。そのわずか2年後の1876年に、アメリカのグラハム・ベルが電話の特許を取得しています。ベルはもちろんライスの研究を知っていました。 |
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| 前月とりあげた「グーテンベルク」は活版印刷によって、世界中にその名を知られているドイツ人でしたが、今回はその逆。電話という画期的な発明の先駆けとなったのにも関わらず、現在彼を知る人はほとんどいません。 実際にライスが住んでいたフランクフルト郊外の住宅が小さな博物館になっていますが、訪れる人もまばら・・。 ベルやエジソンなどと違って表舞台に名前があがることはない科学者ですが、おそらくいつの世でも、ライスが行ったような地道な研究こそが、後の大きな発明発見の礎となる、それは間違いありません。 |
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| フランクフルトを流れるマイン川の南側に、通称「博物館通り」と呼ばれる通りがあり、その一角にあるのがドイツ通信博物館。 電話に限らず、郵便、ラジオ、テレビ、そしてインターネットなど、通信の歴史について体系的に展示してなかなかおもしろい。 |
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| このあたりは「ザクセンハウゼン」と呼ばれ、古い居酒屋やレストランがひしめき、緑も多くたいへん美しいところです。毎週土曜日にはこの博物館通りにてフリーマーケットが開かれ、多くの人で賑わいます。 アンティークの電話器を並べる露店商もちらほらいますが、もちろん、彼らがフィリップ・ライスの名前を知るはずもありません・・。 |
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レポート/恵美子・ニネマン 2004 .9 |
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